経験価値マーケティングとは、消費者や顧客の経験価値に着目したマーケティングの手法です。
これまでのマーケティング、たとえばマスマーケティングは、基本的に消費者の目線を無視してきました。その証拠が、マーケティングの考え方の基礎として「Price(価格)、Product(製品)、Place(場所)、Promotion(販売促進)」の四つしか挙げられていなかった事にあります。価格、製品、場所、販売促進のいずれも消費者視点で創造するマーケティングには当てはまりません。
その反省として、CRM(Customer Research Markething 顧客リサーチマーケティング)が長年使用されてきました。しかし、これはあくまでも顧客から得られるリサーチ情報をもとにしてものづくりに活かす考え方です。結局は莫大な費用がかかるものの中小企業にとってはさほど大した利益を生んできませんでした。
そこで企業が採用したのが、ブランドマーケティング。つまり他社製品との差別化を徹底的に図ることにより、その製品のファン層を固めるというやり方でした。ですが、ブランディングはどうしてもその特性が理解されるまでに時間がかかってしまい、しかもそれが受け入れられるかどうかがわからないため、企業にとってハイリスク・ハイリターンなギャンブル的挑戦になってしまいます。
そして近年注目されたのが、CS(顧客満足)戦略。ですが、CS戦略には意外と費用がかかる上に、従業員の意識統一や製品の高品質化など、頑強な人事部を持たない企業にとってはとても難しい戦略でした。しかも、CSとは「顧客を満足させる」戦略であり、つまり企業中心。消費者の目線は基本的にそこには介在しません。
現在脚光を浴びはじめている経験価値マーケティングは、SENSE(感覚)やFEEL(喜怒哀楽)、THINK(思考)、ACT(行動)そしてRELATE(交流)という5つの人間的経験領域からマーケティングを考える方法です。人間の感情を左右する「経験」にもとづいて「価値」を創出する、つまり消費者に企業製品を購入する事もしくは企業サービスを受ける事がすばらしい経験になる、と言う印象を提供することにより、ブランディングをより楽に推し進めることができる手法なのです。
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